『切花』

そこに形は有るけれど


散りゆく定めの命なれば


その花を摘んでしまえば枯れゆく定めの命となる


可憐に咲いた花の美しさ


優しく愛でる情の熱の幸福よ


人の手に渡るのもまた幸せなのか


耳を傾けても花の言葉は聞こえない


この手に渡った花の声をどうか聞かせておくれ


その花が好きだった、愛おしかった


大切に想っていたけれど君がなんて思っているか解らない、幸せだったのか解らない


涙込み上げて上手く言葉に出来ないけど、下手くそな声を紡ぐよ


切り取られた儚い美しさをそこにあった花びらの綺麗さよ


ありがとうと精一杯伝えるよ、不器用な愛を贈るよ


そこに存在するだけで元気をくれたね、喜びをくれたね


無色透明な日々に鮮やかな彩りを飾ってくれてありがとう、精一杯生きてくれてありがとう


儚い揺らめき最後まで側にいてくれてありがとう


ひと月のあいだお疲れ様でした、ありがとう!君が居てくれて僕は幸せでした




~Fin~